椅子って、案外専用品じゃなくてもなんとかなりますよね。例えば、バランスボール、ベッド、トレーニングベンチ、カラーボックス、スーツケース・キャリーケース、クーラーボックス、脚立などが候補になります。
この記事では、屋内と屋外に分けて、椅子の代わりになるものや、注意点をご紹介していきます。
- 屋内で使える椅子の代用品
- 屋外で使える椅子の代用品
- 選び方のコツ
- 安全対策
屋内で椅子の代わりになるもの
家の中で椅子代わりを探すときは、快適さより先に、安全性と身体の負担が重要になります。特に在宅作業が長い人は、座り方ひとつで腰や肩の疲れが積み上がります。また、小さな子供が使う場合には、一層注意が必要になりますね。ここでは、よく使われる代用品の特徴と注意点をまとめていきます。
バランスボール
屋内の椅子代わりで人気が高いのがバランスボールです。いちばんの特徴は、座面が不安定なぶん、体が勝手にバランスを取ろうとして体感が働くところ。背もたれにずっと寄りかかる人にとって、姿勢を正すきっかけになります。
ただし、安定しないぶん、慣れるまでは疲れますし、座り方が雑だと腰に負担になることがあります。特にすでに腰痛がある人にとっては、合わないことがあります。
おすすめは、いきなり一日中座らないこと。普通の椅子と併用しつつ、短い時間から試すことをおすすめします。
サイズの目安
バランスボールはサイズが合ってないと、膝や腰に余計な負担がかかります。
サイズの目安は、座ったときに膝がだいたい90度になるくらいです。ただし、座ると沈み込みが出るので、少し大きめを選び、空気の入れ具合で調整をることが前提です。
また、バランスボールよりも、デスクの方が問題になることも多いです。可能であれば、先にデスク側の高さを調整しましょう。肘が自然に曲がってタイピングできるくらいがベストです。
座り方の基本
バランスボールに座るときは、背筋をピンと伸ばすのではなく、骨盤を安定させるイメージが重要です。お尻の下の硬い骨(座骨)に体重をかけ、足裏をしっかり床につけます。最初はあまり揺れないようにするのがコツです。
- 足幅は肩幅くらい、足裏は全面を床につける
- 膝はおおむね90度、つま先が浮かない高さにする
- 空気量を調整して、骨盤が倒れないようにする
- 肩と肘の高さが合わない場合は、机の高さが合っていない可能性あがる
安全対策
バランスボールは、勝手に転がっていったり、破裂したりする恐れがあります。
転がらないような固定リングがあると便利です。床が滑るなら、滑り止めマットも有効です。
また、破損した時に破裂(バースト)せずに、空気が少しずつ漏れるような「アンチバースト」素材の製品がおすすめです。
正確な情報は、公式サイトや取扱説明書等をご参照ください。
ベッド
ベッドを椅子代わりにしている人は多いですが、長時間のデスクワークには向いていません。
ベッドは寝るために圧力を分散する仕組みなので、座ると骨盤が後ろに倒れやすいんですね。骨盤が後傾すると背中が丸まって、首が前にでます。長時間この姿勢でいると、じわじわ負担が溜まります。特に、膝の上にノートPCをのせて作業すると、視線が下がって、首と背中が固まりやすいです。
さらにもう一つ、ベッドを椅子代わりにすると、休息と仕事の境目が曖昧になりがちです。本来は休む場所なのに、仕事の場所になってしまって、頭が休まらない状態になります。集中力にも影響が出るので、可能なら仕事は別の場所にしたいところです。
姿勢を維持するコツ
やむを得ずベッドを椅子代わりにするなら、姿勢を崩さない仕組みにするのがポイントです。大事なのは、骨盤が後ろに倒れたまま固まらないようにすること。背中を丸める時間を短くするだけでも、体はかなりラクになります。
- 腰の後ろにクッションを入れて骨盤を立てやすくする
- 足が浮かないように台を置く
- 画面をできるだけ目線に近づけ、首だけ前に出ないようにする
- 30分ごとに立ち上がって軽く動く
体調に不安がある場合は無理をせず、専門家にご相談ください。
トレーニングベンチ
家の中にトレーニングベンチを置いている方は、ただでさえ邪魔ですよね。それを椅子代わりにしようというのも分かります。
トレーニングベンチはしっかりとした作りになっているので、短時間であれば椅子の代わりに座っても大丈夫です。しかし、長時間快適に過ごすような設計にはなっていません。座面が硬いのでお尻が痛くなったり、背もたれがないタイプでは疲れたりします。
また、椅子代わりにするだけならば良いのですが、机とは高さが合わないことが多いです。机で作業をするのであれば、別の代用品を探すことをおすすめします。
安全に使うためのコツ
- 座面が硬いなら薄めのクッションで圧を分散する
- 高さが合わない場合は無理に使わず、別の代用品も検討する
- 可動部があるベンチはロック状態を確認してから座る
- 床が滑るならマットを敷き、ベンチの脚が動かないようにする
トレーニングベンチは機種によって、耐荷重や可動部の扱いが異なるので、正確な情報はメーカーの案内をご確認ください。
カラーボックス
カラーボックスを椅子代わりにできれば、収納と一体になって、省スペース化ができます。ただし、そのまま座ることはおすすめしません。人が座る垂直荷重に耐えられないことが多く、怪我につながる可能性があるためです。やるのであれば、DIYで補強をすることが必須です。
また、快適性も課題になります。板が硬いのでお尻が痛くなったり、クッションを置いても滑ったりします。
補強の考え方
- 中央に支柱になる木材を入れて天板のたわみを防ぐ
- L字金具で角を固定し、箱のねじれを抑える
- 背面に合板などを追加して剛性を上げる
- クッションを置くならば、滑り止めも併用する
少しでも不安があるなら、最初から椅子と収納が一体になったスツールを選ぶほうが安全です。耐荷重が明記されているので、事前によく確認しましょう。
子供が使用する際の注意点
子供が椅子代わりを使うときにいちばん重要なのは、足が床についているかどうかです。足が宙に浮くと身体が不安定になり、危険というだけでなく、落ち着きがなくなることがあります。集中力がない子ほど、実は足がぶらぶらしているというケースがあります。
また、子供は大人より筋力が弱いので、座面があっていないとすぐに姿勢が崩れます。これも疲れるだけでなく、集中力に影響することがあります。
バランスボールを子供に使わせる場合、ハマる子もいますが、飛び跳ねて遊んでしまう子もいて、向き・不向きは性格次第というところがあります。いずれにしろ、安全のために固定リングやアンチバースト仕様は確認しておいた方がよいでしょう。
チェックしたいポイント
- 足裏が床か足台にしっかり付く
- 膝がだいたい直角に曲がる
- 背中が丸まりすぎないよう腰の支えがある
- 机が高すぎて肩が上がらない
優先順位としては、足がつくこと、次に腰が支えられること、最後に座面の高さです。
高さが合わない場合、足台とクッションで調整できることがありますよ。
屋外で椅子の代わりになるもの
屋外の椅子代わりは、快適性よりも安全性が最優先です。外は地面が不安定だったり、濡れて滑ったり、風でバランスが崩れたりします。ここでは、屋外で使われがちな代用品を、注意点込みで整理します。
スーツケース・キャリーケース
空港や駅で、スーツケースやキャリーケースに座りたくなる気持ちは分かります。荷物を抱えて立ちっぱなしはキツいですし、ベンチが空いていないときはなおさら。でも、ここは要注意。多くのモデルは、上からの一点荷重を前提に作られていないことがあり、フレームの歪みや外装の割れ、キャスター破損などのデメリットにつながる可能性があります。
特に軽量モデルは、素材やフレーム構造が薄くなっていることがあります。見た目が硬そうに見えても、上から体重が集中すると割れるケースがゼロではありません。壊れたときのダメージは、修理代だけじゃなく、移動自体が詰む可能性があるのが怖いところです。
また、座ることでキャスターに横方向の力が入りやすく、転倒にもつながります。キャリーケースは床の小さな段差や溝に弱いので、少しズレただけでバランスを崩すこともあります。周りの人の動線もあるので、混雑している場所ほどリスクが上がります。
最低限のチェック項目
- メーカーが座れると明記している
- 耐荷重が表示されている
- キャスターがロックできる
- 上面がフラットで滑りにくい
代替案も用意
座れる仕様かがはっきり確認できない場合は、座らない方が無難です。
折りたたみの小型チェアや、レジャーシートなどの代替案も用意しておくのも手です。
クーラーボックス
キャンプだとクーラーボックスを椅子代わりにするのは定番ですよね。ここで大事なのは、基本的にハードタイプ前提だということ。ソフトタイプは形が崩れやすく、椅子用途には向きません。ハードでも、フタの構造やロックの強さで差があるので、何でも座れるとは思わないほうが安全です。
もうひとつの注意点は、クーラーボックスは中に物が入っていることが多い点。座ることで中身が潰れたり、フタの密閉が甘くなって保冷性能が落ちたりする場合があります。食材を入れているなら衛生面も気になりますよね。座る前提なら、フタの上に座布団を敷いて汚れと冷えを減らすなどの工夫も必要です。
地面との相性も大きいです。砂地や斜面だと脚が沈んで傾きやすいですし、濡れた地面は滑りやすい。座るときほど、設置場所を選ぶのが大事になります。
安全に使うコツ
- フタがフラットで、座ったときに滑りにくい形状を選ぶ
- 傾斜や柔らかい地面は避け、平らな場所に置く
- 長時間座るなら薄い座布団を敷く
- ロックやヒンジの状態を確認し、ガタつきがあるなら座らない
クーラーボックスの強度は、外装の厚みやフタの構造に左右されます。とはいえ見ただけでは分かりにくいので、椅子代わりにしたいなら、耐荷重や座れる用途が明記されているモデルを選ぶのが安心です正確な情報はメーカーの案内をご確認ください。
脚立
脚立は作業用の道具なので強度があるものも多いですが、椅子代わりとしては快適性が低いです。座面が狭かったり、角が当たったりして、長時間は疲れやすい。短時間の休憩や作業の合間に限定したほうが安全です。
脚立を椅子代わりにするシーンって、例えば現場作業やDIY中の一休みなどが多いと思います。このとき怖いのは、脚立が半開きのまま使われたり、開き止めがロックされていないまま座られたりすること。立つための道具とはいえ、座った瞬間に荷重のかかり方が変わるので、固定が甘いと一気にズレます。
そして、脚立は高さがあるぶん、転倒時のダメージが大きいです。椅子より上から落ちる形になりやすいので、油断しないほうがいいです。特に屋外は地面が安定しないので、脚立の足が沈む、滑る、といった要素が重なりやすいのも注意ポイントです。
使うならここだけは守る
- 必ず開き止めを固定して、グラつきがない状態で使う
- 段の上に浅く腰掛けず、安定する位置に座る
- 濡れた靴底や雨天時は滑りやすいので避ける
- 人が通る場所や風の強い場所では無理に使わない
椅子と兼用の脚立もある
一部製品は、座ることも想定しているものがあります。選ぶのであれば、そういうものの方が良いでしょう。
ただしどちらかと言うと、屋内向けの製品が多いようです。
外で使用する際の注意点
屋外の椅子代わりは、道具の種類よりも環境リスクが大きいです。地面の状態や周囲の動線で、同じ道具でも危険度が変わります。屋内だと気にならない小さな段差や傾きが、屋外だと転倒につながることもあります。
特に多いのが、地面が柔らかい、濡れている、砂利で不安定、といったパターン。座る前は平気そうに見えても、体重が乗った瞬間に沈んだり滑ったりします。さらに屋外は風もあります。風で体が傾いたり、道具が倒れたりする可能性もあるので、軽く見ないほうがいいです。
もうひとつは、周囲の人の動き。キャンプ場でも駅でも、あなたの横を人が通ります。ぶつかられて道具がズレる、足を引っかけられる、そういう偶発が起きやすいのが屋外です。だから、椅子代わりを使うなら、場所取りも含めて安全設計にするのがコツです。
外での安全チェック
- 地面が平らで滑りにくいか
- 座ったときに重心がブレないか
- 濡れ、砂、雪などで足元が不安定になっていないか
- 近くを人が通り、ぶつかる可能性がないか
- 日差しや冷えで体が固まり、立ち上がり時にふらつかないか
屋外は、少しの違和感が事故につながりやすい環境です。少しでも不安があるときは、座らずに場所を変えるのが一番です。
道具の耐荷重や注意事項は、数値が書かれていても使い方次第なところもあります。無理しないことが重要です。
椅子代わりになるもの一覧
最後に、屋内・屋外で使える椅子代わりを一覧にしてまとめます。どれも便利な一方で、デメリットや注意点があります。
安全性が最優先なのは当然ですが、長時間使用するならば、快適性も重要です。
| 代用品 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| バランスボール | 体幹トレーニング | 慣れるまで疲れやすい サイズが合わないと負担増 |
| ベッド | すぐ座れる | 姿勢が崩れやすい 腰痛の原因になりやすい |
| トレーニングベンチ | 安定しやすい | 座面が硬い 高さが合わない |
| カラーボックス | 省スペース | 破損や転倒リスク 補強が必須 |
| スーツケース キャリーケース | すぐ座れる | 破損や転倒リスク |
| クーラーボックス | テーブルにもなる | 転倒リスク |
| 脚立 | 強度がある | 快適性が低い |
この記事の内容は、一般的な目安です。製品ごとの正確な情報は公式サイトや取扱説明書をご確認ください。身体に痛みや不安がある場合は、専門家にご相談ください。

